Brown-Forman

Brown-Forman 社が、Tableau をクラウドで 1,000 ユーザーに拡張しマーケティング戦略を変革


サブスクリプションライセンスにより短期間で 1,000 ユーザーにまで拡大

160 か国の業務データを可視化

ケンタッキーダービーに対する販売促進費の ROI を算出

Brown-Forman 社は、アメリカ人が経営する有数のスピリッツ・ワイン会社です。ジャックダニエル、オールドフォレスター、ウッドフォードリザーブなどのブランドを 160 か国以上で販売しています。最高情報責任者の Tim Nall 氏は、初期段階からマーケティング、財務、サプライチェーン、運営など、全世界の従業員 1,000 名に Tableau を拡張しました。Tableau のサブスクリプションモデルは Brown-Forman 社の運営スタイルに向いており、小規模なスタートから需要に合わせてすぐに拡張することができました。現在、マーケティング部門はケンタッキーダービーに関わる販売促進の効果を追跡することができ、今後のキャンペーンの成功度を予測するための支援を行っています。また、新製品を投入する際も、マーケティング担当者はコンテンツが消費者にどのように訴求するかを理解しており、ブランド認知度の向上、そしてひいては製品出荷量の拡大につなげています。

世界的な視点から見ると、あらゆる情報を入手し理解できる能力がますます重要になりつつあります。当社の論理データウェアハウスと Tableau を活用して環境を構築した今では、従業員はコラボレーションを行い、あらゆる情報を利用できるようになっています。

160 か国の SKU を可視化

Brown-Forman 社は規模で世界トップ 10 に入るスピリッツ会社であり、世界中にオフィスを展開しています。世界的な販路を持つことから、ベストプラクティスを策定し製品の販売量を増やすうえで、コミュニケーションが何より重要です。

「当社はドイツで、フランスで、そして米国でジャックダニエルを販売しています。ですから、過去よりも優れたベストプラクティスを活用するために、従業員がそれぞれの国や地域で事業の状況を調べられるようにしたいのです」と、Nall 氏は語ります。

このベストプラクティスの中には、国境を越えた取引に関わるものも含まれています。これは、チームが最小管理単位 (SKU) を効果的に管理するために、価格設定や輸送の詳しい情報に対するインサイトを必要とする部分です。また、そのデータはすべて、Brown-Forman 社が Tableau Server も運用している Microsoft Azure クラウド上で、Cloudera Hadoop データレイクに格納されています。これにより、同社の各部門はテクノロジーへの既存の投資を活用できるうえ、世界各国のチームが協力してベストプラクティスを策定し、Tableau でインサイトを共有することが可能です。

「世界的な視点から見ると、あらゆる情報を入手し理解できる能力がますます重要になりつつあります」と、Nall 氏は語りました。「当社の論理データウェアハウスと Tableau を活用して環境を構築した今では、従業員はコラボレーションを行い、あらゆる情報を利用できるようになっています」

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当社のそもそもの目標は、製品の販売促進を行った後に出荷量を増やすことです。Tableau は、その目標の達成に一役買っています。

新製品のブランド認知度の向上

Brown-Forman 社では、ブランド構築がビジネスの基盤になっています。「当社はブランド構築に力を注いでおり、従業員について触れる場合も、4,500 人のブランドビルダー (ブランド構築担当者) がいるという言い方をします。 全員の肩書きを『ブランドビルダー』にしたいと考えています」

Brown-Forman 社の製品ラインナップは幅広く、バーボンのクーパーズクラフト、スコッチのベンリアック、スコッチのグレングラッサなどの新しいブランドでさらに拡大を続けています。同社が新製品を投入する場合、マーケティング戦略を推し進め、消費者への効果的な訴求手段を判断するうえで不可欠なのがデータです。

「マーケティング部門は、販売促進の効果とマーケティング費をどこに費やすべきかを判断するのに、Tableau を利用し始めています」と、Nall 氏は語りました。

Tableau により、Brown-Forman 社ではマーケティング費の投資対効果 (ROI) が追跡できるようになっています。また、そこから得たインサイトを利用して、マーケティングチームは将来のキャンペーンに対し、費用を抑えつつブランド認知度を高めるという、販売促進の成功度を予測することが可能です。

「従来なら新製品の投入で、当社はソーシャルメディアを利用し、おそらくはテレビコマーシャルも、そしてもしかするとあちこちの広告板も使っていたでしょう。 しかし今では Tableau があるので、さまざまな手段に対する支出の価値をしっかりと調べることができます」

従来なら新製品の投入で、当社はソーシャルメディアを利用し、おそらくはテレビコマーシャルも、そしてもしかするとあちこちの広告板も使っていたでしょう。しかし今では Tableau があるので、さまざまな手段に対する支出の価値をしっかりと調べることができます。

ケンタッキーダービーでソーシャルセンチメントと販売促進の成功度を予測

Brown-Forman 社のウッドフォードリザーブは、「ケンタッキーダービー公式バーボン」として知られています。ウッドフォードリザーブの最近の広告で「ケンタッキーには馬があり、そしてバーボンがある」と言われているように、ケンタッキー州は競馬とバーボンで有名です。

ダービーの期間中、来場者は 1,000 ドルでウッドフォードリザーブのミントジュレップを購入すると、ケンタッキーダービー博物館の歴史ある展示物の観覧、コレクターズアイテムのミントジュレップロイヤルカップ、チャーチルダウンズ競馬場に設けられるブランドを冠したバーの利用という特典で、特別なひとときを味わうことができます。

「今年は、コンテンツを誰が見ているか、誰が当社の Web サイトにアクセスしているかを理解し、見られているコンテンツを判断するためのソーシャル情報をはるかに多く集めることができるので、とても楽しみです。たとえば、1,000 ドルのミントジュレップのビデオを見ているかどうかがわかるのです」

同社のチームはさらに、過去のダービーにおける販売促進活動に雨や寒さがどのように影響したかを判断し、今後の同様の状況への対処方法を予測するために、天候データを重ね合わせる計画も立てています。

「ここルイビルでは、ダービーのときは暑いこともあれば、寒いこともあります。 5 月のダービーで雪が降ったこともあるのです。 ですから今年は、取得できるようになった情報をすべて調べ、うまくいったものといかなかったものを見て今後どうすべきかを判断することができるので、とてもうれしく思っています」

「当社のそもそもの目標は、製品の販売促進を行った後に出荷量を増やすことです。Tableau は、その目標の達成に一役買っています」

当社にぴたりと合っているのはサブスクリプションモデルでした。当社では Salesforce、G Suite、Workday を利用しています。それが業務環境です。全社規模のビジュアル分析プラットフォームとして Tableau を導入するうえで、サブスクリプションモデルが大きな決定要因になりました。

柔軟性と先行投資の削減を求めて、最高情報責任者が Tableau サブスクリプションモデルを採用

Brown-Forman 社がデータインフラをモダナイズしたとき、必然的に次のステップになったのがビジュアル分析プラットフォームを探すことです。

「当社はデータセット全体をモダナイズしていました。論理ファイル構造として Cloudera を採用し、ETL ツールは Talend を持っています」と、Nall 氏は語りました。「すべての情報を集め、簡単にアクセスできる場所に置いています。当社が必要としていたのは、役に立つそのデータと情報のすべてを活用して、インサイトを引き出せるようにするツールです」

シニアバイスプレジデント兼最高情報責任者の Tim Nall 氏は、ビジュアル分析ソリューションを探し始めたときに、サブスクリプションモデルを望んでいました。

「当社にぴたりと合っているのはサブスクリプションモデルでした。当社では Salesforce、G Suite、Workday を利用しています。それが業務環境です」と、Nall 氏は説明しました。「全社規模のビジュアル分析プラットフォームとして Tableau を導入するうえで、サブスクリプションモデルが大きな決定要因になりました」

Brown-Forman 社は、2017 年 1 月に Tableau Desktop と Tableau Server を導入しました。そしてサブスクリプションライセンスを利用し、短期間で世界中の約 1,000 名の従業員に拡張することができました。また、サブスクリプションモデルが持つ柔軟性により、同社はニーズの変化に応じてスケールアップもスケールダウンも行うことが可能です。

「どのような規模でも使い始めることができます。望むなら大規模にスタートして全従業員が使えるようにすることができますし、扱いやすい人数でスタートしてスケールアップしていくこともできます」と、Nall 氏は語りました。

「誰かを Tableau Desktop ユーザーにして、当社が求めているモデルを構築できる全能力を持たせる必要があると判断した場合は、電話をかけてその人物を追加することが可能です」

Tableau に満足する従業員が増えていることから、Nall 氏は組織全体にライセンスを拡大する計画を立てています。「当社は、全世界の監査プロセスデータ、規制や工場の問題、価格設定、販売促進の効果などあらゆるものからインサイトを引き出すために、Tableau の導入拡大を続ける予定です」

IT 部門が情報の一元化を担うセンターオブエクセレンスの設立

Brown-Forman 社は分析戦略を支えるために、最高情報責任者と最高財務責任者から意見を聞きながら商業金融部門が率いる、分析のセンターオブエクセレンスを設立しました。

「そもそもの戦略で当社が行ったのは、IT 部門が情報の一元化を担うという宣言です」と、Nall 氏は述べています。

Tableau Server により、IT 部門は導入の柔軟性を確保しながら、ガバナンスとセキュリティを管理することができます。一部門が、全社規模で利用できるように新しいデータソースを導入したいと考えた場合、センターオブエクセレンスはその時点のインフラを評価し、投資の価値を判定します。

「戦略の推進力は必ずどこかにあり、データサイエンティストのための場所もどこかにあるはずです。このセンターオブエクセレンスは、絶対に欠かすことのできない、ピラミッドの要石だと言えるかもしれません」